続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年05月01日

「虎に翼」裁判長が平田広明。いい声の俳優たちが集まっている。<第23回>

「虎に翼」裁判長が平田広明。いい声の俳優たちが集まっている。<第23回>


「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら

2024年4月1日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。

日本史上で初めて法曹の世界に飛び込んだ女性をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。困難な時代に生まれながらも仲間たちと切磋琢磨し、日本初の女性弁護士となる“とらこ”こと猪爪寅子を伊藤沙莉が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第23回を紐解いていく。

[※本記事は広告リンクを含みます。]

▶︎「虎に翼」画像を全て見る

「虎に翼」をU-NEXTで視聴する

無実を信じる

穂高(小林薫)がベテラン弁護士たちを集め、直言(岡部たかし)たちの無実を証明しようと呼びかけました。
「法は正しい者を守るものだと私は信じたいんです」という寅子(伊藤沙莉)の言葉に、ベテランの弁護人たちも共鳴したようです。

寅子がさらに、自白の内容と相違のある記録を見つけ出してくると、強面の錦田(磯部勉)も「やってみる価値はありそうだ」と賛同してくれました。

涼子(桜井ユキ)の父のコネで若島大臣邸の訪問記録を手に入れたりして、決定的な大きな証拠は見つかりませんが、小さなことからコツコツと。

はる(石田ゆり子)の日記には14箇所の自白との相違点があったうえ、大臣邸の訪問記録にも訪問した記録がないとか、ちょっと調べたらわかることでも有罪にしてしまえる。権力の横暴さに暗澹たる気持ちになります。権力は白を黒にしてしまう。その逆もまた然り。

あることをないことのように、ないことをあることのように書くのは、マスコミもそうであります。寅子が女子部に入ったとき、恣意的な発言の切り取りを行って記事を書いた竹中(高橋努)に事件のことを書いてくれないかと頼みますが、「ガキが足つっこんでいい事件じゃない」と相手にしてくれません。

聞きつけた別の記者が、「父の無罪を信じる女子法学生」という小さな記事を書いてくれました。

が、署名活動などもしている寅子に反感を覚える人たちもいて、街で狙われます。
それを助けてくれたのは竹中。

共亜事件には大きな力が動いており、へたすると寅子の身に危険が及ぶと忠告します。
そして、内閣を総辞職させるためにこの事件が起きたのだと秘密を語ります。
誰が何のために? 貴族院議員・水沼(森次晃嗣)が影で操っているのではないかとまで竹中はしゃべってくれます。朝ドラにしてはシリアスな展開ですが、わりと簡単に謎が解けていくのは朝ドラらしい。

竹中は「この国はどんどん傾いていくぜ」と語ったあと、
タバコを吸おうとして箱が空っぽだったためいらっとして地面に投げ捨てます。
地面に叩きつけた音が竹中の苛立ちが伝わってきました。

裁判がはじまると、武井裁判長(平田広明)の横に、桂場(松山ケンイチ)が裁判官としていて、はるは顔をしかめます。以前、彼にひどいことを言ってしまったので、心象を悪くするのではないかと後悔したのではないでしょうか。

平田広明さんは「ONE PIECE」のサンジや「TIGER & BUNNY」の鏑木・T・虎徹などでおなじみの声優さん。弁護士・錦田といい、いい声の人たちが裁判所に集結してきました。

傍聴マニアの笹山(田中要次)も久しぶりに現れます。

直言は、日和田(堀部圭亮)が扇子を耳障りに叩く音が神経に触ったようで、倒れてしまい、裁判は一旦休止になりました。日和田はわざとそうやって精神的に攻撃することで、検察側に有利になるような作戦なのでしょう。いかにもいや〜な検察官を鮮やかに演じています。

取り調べでもさんざん暴力的に扱われたうえ、自分が認めないとほかの人達にも危害が及ぶとプレッシャーをかけられ直言は萎縮しています。こうやって罪が作られていくと思うとほんとうにおそろしい。


(文:木俣冬)

“朝ドラあるある”満載!「朝ドラ辞典」を見る


木俣冬著「ネットと朝ドラ」、現在好評発売中

「虎に翼」をU-NEXTで視聴する

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)NHK

RANKING

SPONSORD

PICK UP!